歯科矯正治療質問集:part2

「『受け口』(下顎前突)について、何時頃から治療を始めたら
よいか? また、どのような治療をするか!」

 

『受け口』(図1)とは"反対咬合"や"下顎前突"と言われる不正咬合で、下の前歯が上の前歯より前の方で咬んでいる。つまり、『上顎に比べ下顎が前方に出ている咬み合せ』のことをいいます。この様な症状を呈したお子様の治療は、成長期を通じて治療が必要になる場合が多いと思われます。(下顎の前方成長と戦いです)それでは、何時頃から治療を開始するがベストかと言いますと、まず、第一段階(最初 のアプローチ)としては、前歯が萌え変わった頃(図1)つまり小学1~2年生の頃に反対の咬み合わせの改善(図2)を行なうのが良いでしょう!

 

 

そうしないと、受け口の程度はどんどん悪化していきますし、また、デコボコの状態(叢生)も悪くなっていきます。歯の萌え方によっては、顎の変形(下顎の側方偏位)等が起こり、治療をさらに難しくしていきます(図3)。 

また、早期治療を行わず、受け口のままでいますと、顔つきが段々と三日月顔になってしまいます。つまり上顎(鼻の付け根辺り)の発育が悪く、凹んだ感じになり、また、下顎はどんどんしゃくれて前に出てきます。

早期の受け口の改善と下顎の成長の管理を行わないと、段々と下顎が前に出てきて三日月顔貌になってしまう。それは、上顎は劣成長に、下顎は過成長になってしまうからです。

これは、永久歯が生え変わった頃の初期治療(受け口の改善)が施されなかった為、上顎骨は下顎骨にブロックされ、前方に発育できなかったのと、下顎に関しましては、上顎の前歯より前にあるために、野放し状態に前方成長した結果です。
早期治療(前歯が永久歯に生え変わった頃)の利点は、どういう事かといいますと、反対咬合の改善を早期に行うことにより、上顎の前歯は下顎の前歯の前方に出てきます。
そうして、咬合する際の刺激が上顎骨に伝わり、正常な上顎骨の前方成長が期待できます。また、上顎の前歯が下顎の前歯を覆うことにより下顎は自由に前方への成長は出来にくくなり、そうすることにより下顎前方成長の抑制が期待できます。

つまり、受け口の矯正を開始する最適時期は、前歯が永久歯に萌え変わった頃(図1)つまり小学1~2年生の頃に、反対の咬み合わせ改善を行なうのがベストだと言う事です。

 

次にこの反対咬合の改善に用いる矯正装置についてお話を進めていきます。

 

●床矯正装置(アクティブプレート)
取り外しの出来る簡単な装置で、年齢の低いお子様の治療に適しています。

 

●舌側弧線装置(リンガルアーチ)
受け口の改善には最もポピュラーで、違和感も少なく、歯の移動の確実性が高い装置です。小学生の受け口の改善に一番良く使用する装置です。

 

●アクチバートル(FKO)
取り外しの出来る装置で、就眠時装着します。

 

●フレンケル FR3
アクチバートルより床の部分が少なく、装着感をよくしたものです。
以上の装置などで、早期の反対咬合の改善を行っています。

 

早期治療のポイント
受け口や出っ歯の場合、上顎と下顎に前後的な(水平的な)ズレがあります。この前後的なズレに関しましては、小学生の時に解消しておかないと、抜歯治療になる可能性が高くなってしまいます。ですから、上顎・下顎に前後的なズレがある場合は、歯列のデコボコに目をやるのではなく、上顎・下顎の前後的なズレの解消を、小学生の頃(顎の成長が旺盛な時)に、第一優先で改善していかなければなりません。